東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
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減数分裂組み換えのもつ染色体分配における意義

(Takeshi Sakuno, Koichi Tanaka, Silke Hauf and Yoshinori Watanabe.
Repositioning of Aurora B promoted by chiasmata ensures sister chromatid mono-orientation at meiosis I.
Dev. Cell 21, 534-545 (2011))

生殖細胞の染色体分配は、減数分裂という特殊な様式によって染色体ゲノムを半分にします。とくに減数第一分裂で、相同染色体の間で組み換えが起きることが、染色体が正しく分かれるために必要であることが知られていました。しかし、その分子メカニズムについては解明されていませんでした。染色体中央部に存在するセントロメアにおいては動原体が形成され、染色体の分配を直接担うスピンドル微小管との結合が起きます。とくに、セントロメアに局在するオーロラキナーゼは、動原体と微小管の間違った結合を不安定化することにより正しい結合を促進する働きがあります。相同染色体の間の組み換えによる物理的結合(キアズマ)は、動原体とスピンドル微小管の結合に応じて相同染色体の間の張力を生み出します。本研究では、この張力の発生によって相同染色体のセントロメアのオーロラキナーゼの局在が変化し、その結果、動原体と微小管の正しい結合が安定化されることを見出しました。これにより、長い間謎であった減数分裂組み換えのもつ染色体分配における意義が、分子レベルで解明されました。

本GCOEプログラム事業推進担当者
分子細胞生物学研究所教授 渡邊嘉典